第21回『このミステリーがすごい!』大賞で大賞を受賞した、小西マサテルさんの小説『名探偵のままでいて』。長年、放送作家として第一線で活躍してきた小西さんが、レビー小体型認知症を患った父親の介護経験を題材に執筆した本作が、吉川愛さん主演でドラマ化され、注目を集めている。
2026年7月17日に放送された第1話と、7月24日放送の第2話では、ミステリーとしてのおもしろさはもちろん、吉川愛さん演じる孫娘・楓の愛らしさや、奥田瑛二さん演じる祖父の存在感も話題に。孫娘と祖父が織り成す温かな物語に、SNSなどでも数多くの反響が寄せられた。
謎解きとヒューマンドラマを融合させた本作は、どのように映像化されたのか。7月31日に放送される第3話を目前に控え、原作者の小西さんにインタビュー。ドラマ制作陣に寄せる全幅の信頼、“神キャスティング”と評する俳優陣の確かな演技、そして原作者をも唸らせた「映像ならではの美しい脚色」について、たっぷりと語ってもらった。
新人賞応募作からのドラマ化。全幅の信頼を寄せる制作陣とこだわりの世界観
―― 1話完結で非常にまとまりがありましたが、執筆時からTVドラマの尺やテンポを想定されていたのでしょうか?
【小西マサテルさん※以下、小西】何しろ最初の1冊目は新人賞の応募作ですから、テレビドラマ化されるとは思ってもいませんでした。そこはまったく考えていなかったです。
ただ今思うと、自分が好きな書き方のパターンはあります。情景が見えるような描写になっているかどうか。それから、1つのチャプターが終わって次のチャプターへ行く直前に、「引き」を作るのが好きなんです。「もう1章だけ読もうかな」と思わせるような引きですね。それが、CMまたぎのあるドラマの形に少し似ているのかな、という気はします。
自分にとっての「引き」の原体験でいうと、20年くらい前の『24 -TWENTY FOUR-』がまさにそうですね。最たるものじゃないですか。僕はいまだに、なんだかんだ言って海外ドラマでは『24』が一番おもしろいんじゃないかと思っています。おすすめなのは、続きものになっているラストのシーズン7と8ですかね。意外と皆さんそこまで観ていなかったりしますが非常にもったいないなと。
――TVドラマの脚本作りにおいて、小西さんからリクエストされたことはありますか?