“夫”という生き物は、なぜ余計なひと言を言ってしまうのだろうか?「君は気にしなくていい」と言うのなら、いちいち言わなくていいのに…と妻は心でつぶやいていた。目の前の夫は「朝食で出している2人分のトーストとバター…そのバターをすべて自分のトーストに塗ってしまう男」だった。2人の夫婦関係は破綻寸前、いやもう破綻していたのかもしれない。10年前のあの日、4歳だった娘が行方不明になった日から――。本作『仮門(かりもん) 消えた少女―10年目の真実』を描いたのは、漫画家の鳩ヶ森(@hatogamori)さんである。2023年2月に「第2回 朝日ホラーコミック大賞」の漫画部門で大賞を受賞した新進気鋭の作家だ。鳩ヶ森さんに本作について話を伺ってみた。
気が利かないのは、もはや現代の妖怪
本作「仮門(かりもん) 消えた少女―10年目の真実」は2023年9月にSNSにて連載がスタートした。当初はサブタイトルを「犯人を予想する漫画」としていて、読者と一緒に犯人を考察していく作品スタイルで徐々に人気を集めた。