寿司店で順番を待っていると、人数の少ない客をカウンター席へ案内する店員に「順番を抜かすな、非常識だぞ!」と声を荒らげる男性がいた。周囲から冷たい視線を向けられているのは、主人公・栄子の父親だった。昔からの価値観を疑うことなく、周囲にも押し付けてしまう両親との関係を描いた「わたしの親が老害なんて」を紹介するとともに、著者の西野みや子さんに制作の背景や作品に込めた思いを聞いた。
「昔はこうだった」を押し付ける両親
主人公の栄子は夫と2人で暮らし、娘の美咲はすでに結婚して家を出ている。現在はスーパーでパートをしており、80代の両親が近所に住んでいた。子どもが小さい頃は面倒を見てもらったり、アドバイスをもらったりと頼りになる存在だったが、娘が巣立ってからは、近くに住む両親の言動をわずらわしく感じるようになっていく。
元教員の父は自分の考えを曲げず、母も父には逆らわない一方で、昔ながらの価値観を栄子に押し付けてくる。外出先で店員にクレームをつけることもあり、そのたびに栄子が代わって謝罪する。「長女の私が面倒みるしかないよね」「こんなふうに考える自分は薄情なんだろうか?」と葛藤する栄子だが、自分の親が周囲から「老害」と見られていることには複雑な思いを抱えていた。