朝早く起きて作ってくれた弁当を、いつも当たり前のように残していた。反抗期の息子が母にぶつけた「無理してまで作れなんて誰が頼んだよ」という言葉。その日が、母との最後の会話になるとも知らずに――。SNSで「過去一番泣いた」と1万8000超の「いいね」を集めたのが、吉良いと(@kilightit)さんの漫画『幽霊が視(み)える葬儀屋さんと閉じられた弁当箱』だ。主人公のヒロトは、母の突然の死を受け、烏丸葬儀社の烏丸枢(からすま・くるる)に立ち直れない胸の内を明かす。
「自分もひとり親で…」作者がプロット作成時に流した涙
絶望する彼に、烏丸は弁当に入り続けていた「唐揚げ」の真実を告げる。それは、幼い頃のヒロトが放った「世界で一番好き」という一言を、母が大切に守り続けていた証だった。元ゲーム会社デザイナーの経歴を持つ作者の吉良さんは、本作について「これまで描いたシリーズのなかでも特に思い入れが強い」と語る。「自分もひとり親で、母にはずっと迷惑をかけっぱなしで……。プロットを書いているとき、さまざまな感情がリンクして思わず泣いてしまいました」と、作品に込めたリアルな熱量を明かした。