机に置かれたプレミアムガーナの小箱。手に取ってそっと側面に触れてみると、角のすぐそばにかすかな凹みを感じた。わずかな四角い溝だが、視覚に頼らずとも「ここに大切な情報がある」と教えてくれる確かな目印。これが、株式会社ロッテがスタートさせた新技術「ココヨム」だ。
目が見えない人や見えづらい人にとって、スーパーやコンビニでの買い物は手探りの連続だ。パッケージのどこに商品名やアレルギー表示があるかわからず、スマートフォンの読み上げアプリをかざすことすら難しい。そんな日々の切実な困りごとを解決し、誰もが自分の手で選ぶ買い物の楽しさを感じられるようにと生まれた本サービス。指先で溝をなぞるだけで知りたい情報の場所にたどり着けるこの取り組みは、どのようにして生まれ、社会へ広がろうとしているのか。記者会見の模様を交えて、その背景とこれからの広がりをお伝えする。
スマホで読めるのに、どこを写せばいいかわからない
「これまでの技術が解決してきたのは『読むこと』でした。けれど、『探すこと』は置き去りにされたままだったのです」
開発協力に携わった株式会社ミライロの垣内俊哉社長が指摘するように、当事者を取り巻く環境には周囲が気づきにくい大きな壁が存在していた。