同級生たちから「幻覚が見えている変な奴」「虚言癖の痛い奴」と噂されている女子高生・笠谷瑠璃(かさやるり)。誰もいない場所でひとりでおしゃべりをしたり、何もない空間に向かって手を振ったりする姿は、周囲から奇妙に映っていた。
しかし、彼女の目には本当に怨霊の姿が見えていたのだった。恐れるどころか怨霊が大好きだという笠谷は、自ら怨霊に歩み寄り、彼らが抱える怨念や無念の物語を親身に聞いていた。
部室で一人掃除する先輩と「壁のシミ」に向かって喋る後輩
ある日、笠谷は新たな怨霊を探して運動部の部室へ向かった。そこで、一人で部室掃除をしていたバレー部3年生の先輩・美森と鉢合わせる。
笠谷は壁のシミを見つけるなり、「殺されちゃったとき、倒れた場所がここだったんだねー」と朗らかに話しかけるが、美森は「…は?」と困惑するばかりだ。「さっきから誰と話してんの?」と不審がる美森だったが、どうやらその部室には“もう一人”の存在が潜んでいるようだった。