全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。4つの県が独自のカラーを競う四国は、県ごとの喫茶文化にも個性を発揮。気鋭のロースターやバリスタが、各地で新たなコーヒーカルチャーを生み出している。そんな四国で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが推す店へと数珠つなぎで回を重ねていく。
四国編の第50回は、高知県黒潮町の「SUNLIFE COFFEE WAVES.」。雄大な太平洋に面した入野海岸にある店は、海風と波音が心地よい開放的な空間。スケールの大きなロケーションは、ほかにない魅力だ。店主の斉藤さんは、学生時代のある間違いがきっかけでコーヒーの道へ。コロナ禍の逆境を転機に変えて、コーヒーの探求を通して新たな道を拓いてきた。紆余曲折を経て、自身の店を構えた斉藤さんは、今も絶えず研鑽を重ね、海辺の町から新たなコーヒーの波を広げつつある。
Profile|斉藤成希(さいとう・みずき)
1997年(平成9年)、高知県黒潮町生まれ。高校時代に理学療法士を目指し、大阪の専門学校へ入学。4年後、帰郷したタイミングでコロナ禍に見舞われたことで、コーヒーで新たな道を模索。独自に抽出や焙煎を学び、2020年、土佐入野駅内に「SUNLIFE COFFEE WAVES.」をオープン。4カ月の出店を経て、2025年に入野海岸の公園内にある海のバザールへ移転リニューアル。自店での焙煎の勉強会やイベントにも力を入れている。
些細な間違いから始まったコーヒーとの縁
店先に広がる浜辺から望むのは、彼方から波が打ち寄せる太平洋。遥かに伸びる水平線とどこまでも広がる空と海を眺めていると、気持ちも大らかになっていく。「SUNLIFE COFFEE WAVES.」が店を構えるのは、高知の南西・黒潮町、長い砂浜が広がる入野海岸。早朝7時の開店から、出勤前や犬の散歩の途中に立ち寄る人、サーファーの姿も見える。「朝一番にコーヒーを飲める場所が界隈には意外になかった。ここはビーチの休憩所でもあって、夏の人出が多いですが、普段は海外の観光客や、お遍路さんも毎日数人は来られます」という店主の斉藤さん。刻々と表情を変える海と空と波音に包まれると、思わず深呼吸したくなる。