「ああ、今日はいいお話を読んだなあ……」「今回はいつにも増して幾重にも深い話」「15分くらいの深夜ドラマで観てみたい」。そんな感想が寄せられた漫画がある。現役郵便局員の送達ねこ(@jinjanosandou)さんが描く「山に棲む」は、郵便配達員が実際に体験した不思議な出来事をもとにした物語だ。山奥で出会った奇妙な存在と、その先に待ち受ける出来事とは? 読者の心を揺さぶった作品の背景を、作者に聞いた。
踏み外せば谷底…山奥の配達先で目撃した着物姿の少女
山深い細道の先に民家がある限り、郵便配達員は手紙を届けなければならない。バイクすら入れない場所を担当することになった、郵便配達員のアラタさん。都会育ちの彼がまだ新人だったころ、教育係の江藤さんに連れられて、一般車両進入禁止の道の先にある集落へ向かった。
「こっからは歩きだ。上まで杖をついてく」と告げる江藤さんに、若いアラタさんは杖を断る。すると「足腰じゃねえよ!蛇追っ払うんだよ!誰がジジイよ!東京もんは何も知らねえ」と怒鳴られ、慌てて謝ることに。その道中、アラタさんは着物姿のおかっぱ頭の少女を目撃する。しかし、その直後に江藤さんに緊急事態が発生し、少女のことを気にしている余裕はなくなってしまう。山奥で見たあの少女は、一体何者なのか。